オタク・ログ

オタクが観たものの感想や備忘録などを書きます。

アンドロギュノスの乙女観ました(1日目)ネタバレ感想

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アンドロギュノスの乙女の配信観てください。

 

一応デスナインシリーズと言われていますが、アンドロギュノスの乙女というこの公演だけでも話や世界観がわかります。

クローゼット・ドラマ「アンドロギュノスの乙女」ライブ配信詳細 – Destrudo 9

 

 

初日の感想を書きます

アンドロギュノスの乙女のネタバレはもちろんのこと、デスナイン初演(2019年9月)、デスナインIf&True(2020年1月)、或る少女たちのすべて(2020年11月)のネタバレを含みます。

アンドロギュノスの乙女の公演を観ていない人は絶対に見ないでください。

気になってるから読んでから観ようと思っている方がいらっしゃれば、こんなオタクのブログは閉じて配信のツイキャスページを開いてください。絶対に後悔するので。

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間超の公演を1日に3回もするの正気か?(褒めてる)(本当にお疲れさまでした)

家のベッドにでーーんと座ってただ観ているだけなのにめちゃくちゃつかれた……

精神がゴリゴリに削られる。

画面越しでこれなので、劇場で観劇できていたら終演後はどろどろに溶けてしまっていたことでしょうね……

いつもデスナインの公演の後はしんどすぎて流動食しか食べれなかったんですけど…

あれ…もしかしてどろどろのスープってオタクの食事では…?(推しを飲もうとするな)

 

まずそもそも、デスナインをおっかけていたオタク(ゾンビ)は「或る少女のすべて」という朗読劇を経てアンドロギュノスの乙女を観ているので、ハナ・アオイ・ニチカの3人の行く末を観劇前から知っているという……地獄か?

(アンドロギュノスの乙女の台本はだいぶ練り直されたらしいので日記の内容はだいぶ違うようだけど、あっちの内容でも観てみたかった…)

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いたって普通の台詞にも伏線が貼られていて、おもしろいなあと思いました。

話の時系列?もバラバラに書いてますし、台本もまだ持ってないので記憶違いもあると思いますがそこはすみません。3回観た後の自分の記憶の整理兼備忘録として書いています。

 

 

ど田舎の一軒家に冷蔵庫と蝶の標本と共に住んでいる染谷律(30)

2020年3月19日に西蜂香耶が訪ねてくるところから物語がはじまる。

ソファもテーブルもないから寒い冬に床に座っている。(冷蔵庫以外の家具なくて死ぬために引っ越してきたのつら)

大きな冷蔵庫ですね、と言う香耶に対して「冷蔵庫に死体を”入れるんです”」と答える律。(2回目で最初だけ入れるって言ってるって気付いて、あ~まだ入れたわけではないんだなってなった…。その後はずっと入ってるって嘘をついている)

そして暇つぶしにと冷蔵庫には誰の死体が入っているか当てるゲームを始める。期限は日付が変わるまで。(ハナの誕生日が来るまで本当に暇つぶしだったんだなってなった…)

 

ヒントとして渡されたのは「律が殺した人物の日記」と「それを見ていた人物の日記」

どちらかが本当で、どちらかが嘘。

 

1つ目の日記はハナが書いたもの。

”女の子”としてハナ、アオイ、ニチカが出てくる。

(本当は男の子のはずなので、多分こっちが嘘なんだなって一発でわかるオタク、業を背負いすぎでは?)

 

説明が難しいんだけど、ニチカが自分の台詞を終えた後もずっとしゃべり続けているのが見えて(口が動いているのと、何言ってるのかわからない程度の音量でぼそぼそと声が聞こえる)、なるほど…と思いました。

数学が好きって言ってるけど、律が先生として音楽史を教えるって言ったときめっちゃ嬉しそうだったり、色んな知識を持っているあたり、いろんなことを知るのが好きな結果頭が良いって感じもして、そのまま育ってくれ…って願った。

 

ハナの日記はこうだったらいいなっていう日記らしいので、どこまでが願い(律の言う嘘)で、どこに真実が紛れているのかがわからない。

2019年8月23日はハナにとって大事な日(生まれて初めてキスをした日)って日記では言ってるけど、実際はプロジェクトFに参加する1週間前に律と会っていて、誕生日プレゼントにキスしてほしいって言ってる日。

こっから先は未成年やぞという倫理観をぶっとばしていきます。創作なので。

は~~~~~~~~~~~~?甘酸っぱすぎんか?????

誕生日プレゼントじゃなくて今したれや(多分してるな)

 

ハナが名前を名乗らない(回想では名乗ってるけど日記では出てこない)の、男の子っぽい名前だからかな?って思ってたんだけど、かなたでびっくり。

 

ハナの日記を読み終えた後に律が「ハナは東京にいる恋人のところに行きましたよ」って言ってるの、ハナの日記の設定に合わせて嘘をついているように思えるけど、律がそうあってほしかったって望んでいるように思えてきて…

 

アオイの日記を読み始めて一気に不穏になる。

デスナイン初演っぽさがあった……

 

プロジェクトFの真相を知っていく香耶が途中まで観客と同じ目線なので、あの子たちが女の子ではなく元は男の子だったとわかるときまで、なるべく3人が一人称を使わなかったり、プロジェクトFに選ばれるのは「16~19歳までの優秀で健康な”男子”」だから無理って言っていたりとミスリードを誘っていておもしろかった。

ハナの日記では「女だからプロジェクトFには参加できない」と言っているので、当然アオイの日記でも性別上無理と思わせようとしているのがいいですね…。

1回目はこのミスリードに気付いて、「優秀ではないから?」みたいな思っていたけど、まさか年齢の方で無理だって言っているとは思わなかった。

たしかにハナとアオイがプロジェクトFには参加できないよ~って言っているのは中学生のとき。これが朗読ではなく、衣装で中学の制服を着たりしていたら年齢制限で無理だって言っているって思うんだろうけど、同じ台詞でも、そこまでの話の流れと映像を見せないということでこのミスリードを作れるのおもしろいですね。

 

アオイが麦に一目惚れしてでも半ば諦めているのも、性別で拒否されるのかと錯覚させられるのがな。15歳差くらいだから見向きもされないって思っているはずなのにね。

 

すっかり忘れていたけどアンドロギュノスの乙女はラブストーリーと聞いていたのですが、日記を読んでいくところまでは恋バナ的なことはするけどその気配がなく、香耶が「ハナちゃんのこと愛していたんですね」と言うまで本当にわからなかった。

1回目聞いたときはほんまか?となった。

だって、ハナと会うのは子どものおもりだとかファンサービスだとか言ってて、ハナの日記も自分が相手になっていて気持ち悪いとか言ってるし…

(日記を読んでいるかぎり、恋慕というよりファンとして好きなんだと思っていた)

 

なので、「ハナちゃんのことを愛していたんですね」以降のハナに対する律の台詞があまりにも優しく聞こえて泣いた。

これはデスナインITの「オイディプスの蝶」の「最後の夢」の千紘さんと同じ雰囲気を感じましたね。

最初は得体が知れなくて本心に何を隠しているのかがさっぱりわからなかったんだけど、純粋に深い愛情を持っていただけっていう……律…おまえは…

なんとデスナインITは配信で観られるんですね。観てほしいですぜひ。

filmuy.com

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ハナはプロジェクトFに選抜されたときに「16~19歳までの優秀で健康な男子」の条件を満たしていないって律が気付いたときに気付くべきだった…

何の興味もない年下の子の誕生日、さらに年齢まですぱって思い出せなくないですよね?? 

めっちゃ好きやん……

 

 

律の回想で出てくる麦にはめちゃくちゃむかついたので何回かぶん殴りそうになった。

デスナイン狂気系出してくるよね……紙枝…(くめじい…)

 

アオイおまえ…(女の子になってさせられた実験…)

ハナが嫌がったからってアオイがやったのなんなん。なんなんとしか言いようがない。強すぎんか?

 

そして好きな人を殺させるデスナイン。(鬼か?)

凶器ボールペン他のとこでもあったよね…(わかる人に伝われ)

アオイの日記の書き出し、「好きな人が悪魔だった場合、殺されるのがいいのか殺す方がいいのか」みたいな。

結局、アオイは好きな人をハナのために殺してしまったね。

どの段階で麦が”悪魔”だと知ったのかわからないけど、それでも嫌いになれなかった?

バカ(あえて言う)なのに、アオイはまっすぐで友達想いでいいやつだった。

 

そして麦は律が自分の物にならないから殺そうとする……

幾実か……

好きなら殺すな

デスナインに出てくる大人はみんな失敗する。

それでも子供たちは早く大人になりたいと言うし、未来に希望を抱いているのがなんともね。酷なことを…なぐりさん…

 

ハナの日記の段階では3人が今も生きているって言われてホッとしている香耶だったけど、ハナが死んだからアオイとニチカも死んだって言われて、ああ、この人はここで弟の死を確信したのかと思ってつらくなった。

ところどころに出てくるピンポーン「これ受け取ってください」はみんなで言っているから誰が渡しに来たのかはわからない。

香耶は渡しに来たのは「知らない女の子だ」と言っていて、会っても、写真を見ても弟だとは気づかなかったよう。

女になったと言われるまでは、オレンジ色のノートの持ち主が弟のニチカだってわかったとしても渡しに来た少女がまさか弟だとは思わないよね。

新聞記事でニチカが自分にノートと楽譜を渡しに来た後に死んだってわかるのつらすぎでは。

 

ニチカに関する伏線が張られすぎていて、オレンジ色のノートってみかんの色だから選んだでしょ…ってなった。

2回目で現地にいたら、冒頭の香耶がかばんからいろんなものを取り出すところで唐突に泣き出すこわいオタクしてしまうところだった。(2、3回目は冒頭から泣いた)

わざわざ綺麗なオレンジ色のノートとは言わんくないか?みかんが大好きな弟の形見…

さすがにハヤシニチカ→ニシハチカヤには気付けない。

クリスマスの早朝に香耶(正確には香耶ではないが)が仙台の自宅で寝ているときに寝言でアルベド…と言っているのにもさすがに気付けない(知らない単語を覚えれない)

 

夢で実家でみかん食べてるときのニチカの姿が”別れたときのまま”って言ってるのもね……たしかこの時点で観客は香耶の弟がニチカだということがわかっていないかったんでは…

そして、香耶の回想で「弟が笑った」って言った瞬間ニチカが笑ってはなし始めたところで涙腺が崩壊した。

ニチカの座右の銘「あした世界が終わるとしても、リンゴの木を植える」がきいてくるのもやばい。なんて言ってたっけ、自分が死んでも未来に託せる…?

リンゴの木(ノートと楽譜)を姉に渡しに行くニチカ…

疲れているみたい、って言われてて単に遠い(?)距離を移動して疲れたのかと思ったけど、ガラテアの影響がニチカにも届いていた?ハナとアオイが相当苦しんでいたのでニチカもつらかっただろう…

そして、姉に名前を名乗れないの……香耶の人を信じすぎるところがここにきて効いてくるのずるい……いきなりノートと楽譜を渡して意味の分からないことを知らない人に言われているのにころっと信じて…ニチカよかったね…

 

自分たちの命日を知って、ニチカがとった行動がこれなのがしんどい。逃げることではなくて、未来に希望を託すことだった。かっこよすぎないか。

 

 

ハナは好きな人に殺され、冷蔵庫の中には誰もいなかった。

律は3月20日が来るのを待っていた。

愛する人の誕生日に、プレゼントを約束した日に、思い出してほしいと言われた日に、愛する人がいいなって言っていた方法で死ぬつもりだった。

殺してしまった愛する人への誕生日プレゼントに自分の命をささげるのか……

 

律はハナは幸せだった、ハッピーエンドだって律は言っていて香耶はそれを否定したけど、律の嘘ではなくハナの願いだった。

律さん、ハナの願い全部叶えようとしてるじゃん…

 

ハナの日記ではクリスマスイブの発表会は無事終わり、最初「当日は聞けなかったけど、病気が治った1月(?)に麦に映像を観させてもらった」って言ってたけど、これは嘘。

麦は死んだ(そういえば死んだのか?)はずだし、律はいまだに音楽を聴くと頭痛がするのでだめ。

最後、律の夢で発表会でハナが歌うところが出て、季節が冬ではなく春だったから夢だと気づいたって言ってるけど、病気が治ってないならハナが歌うところも観てないはずだよね…って気付いて最後の最後で苦しくなった。

 

しんどいポイントがいくつもあって、1回観て驚き、2回観て知り、3回観て気付く。

残り2公演どうなるのかな。

 

 

キャストさんたちの演技も本当に良かった。

ハナ役の舞園れいなさん(れいなすしさんって心の中で呼んでる)は初舞台らしく初々しさがあってハナの雰囲気にめちゃくちゃ合ってたあとめっちゃかわいいなんなん。

アオイ役の江益凛さんは強い印象で、アオイのまっすぐな強さが伝わってきた。アオイの喋り方はちょい乱暴(DK)だけど、男の子だってわかる前は気の強いJKみもあってバランスがすごかった。

ニチカ役の西村美咲さんはほんとに……表情に惹かれました……ニチカ笑ってくれ…(膝から崩れ落ちるオタク)、メインで喋ってないときも喋ったり(台本どうなってるの?)、アオイとジェスチャーでやり取りしてたりと細かいところまで好きです…

染谷律役の菅野勇城さんは尾木プロTHENEXTさんへの信頼わかる…ってなりました。染谷律は以前から存じ上げていましたけどそんな人だったのね……ぽろっぽろこぼれてくる情報から読み取れる律さんの本心が何重にもくるくる変わって見えてすごいなあとなりました。あとハナへの優しい声でオタクのライフはゼロです。

西蜂香耶役の矢野優美華さん、今回の救いだった。守野純枠。フルネームを叫ぶ枠。香耶はお人好しで明るい、観客目線で物語を進めていってくれる良きガイドでした。香耶オーバーリアクションだなあって思うけど不思議とうるさくないんですよね。

一倉麦役の中川琴葉さんは表裏の使い分けがすごい。表はいいお姉さんだな~っていう大人の声なのに、裏のときはほんっっとうに腹が立った(褒めてます)悪役で嫌われるのはそういう芝居ができている証拠で良いみたいな話をどっかで聞いたことがあるんだけど、そうやなってなる。

 

は~~~~~しんど。

全人類観てくれんか?

多分書き忘れていることもあるのでまた明日4,5公演目を観た後に書きます。

 

本当に劇場で観たかった。

配信で上演してくださって本当にありがとうございます。

なかなか厳しいけど、劇場に行ける日が早くまた来ますように。

 

わけあって約100インチの大画面で観劇しているので実質最前で観てます。

その話はまたおいおいするとして。

 

 

飲食店ガヤよかったですね…やっぱり劇場に響く音で聴きたかった…オムライス…

 

そしてブログ書いてたら朝がきたので寝ます。